〜日々の勉強報告〜@日本三景

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NEJM Knowledge+ April 28, 2020 Charcot関節の症例プレゼンテーション

NEJM Knowledge+ April 28, 2020
 
〈Question〉
45歳女性。3週前から左足背の発赤と腫脹が出現。体重負荷による違和感を伴う。
既往歴:
 ・病的肥満 
 ・甲状腺機能低下症
 ・10年前からのインスリン治療中の2型糖尿病、網膜症と末梢神経障害を合併している
発熱なし。左足はここ数年で扁平足となってきており、足背に紅斑、熱感、腫脹を認める。
左足関節は全方向への可動良好で、運動時と体重負荷で軽度の疼痛を認める。
中足骨頭の振動覚は低下しており、アキレス腱反射は消失している。
下肢に病変はない。
血液検査:白血球数 5300 (normal range 4500-11000), ESR 22 (normal range 1-25)
関節液:白血球数 400, 結晶なし。
 
最も適切な診断はどれか?
A, 骨髄炎
B, 偽痛風
C, 化膿性関節炎
D, 糖尿病性神経性関節症(Charcot関節)
 
〈Answer〉
D, 糖尿病性神経性関節症
 
Charcot関節
糖尿病患者の0.1-0.9%に生じる。
McEwenらは、BMI上昇とCharcot関節の間に関連があると報告している。
・足関節と膝関節に好発する。
・変形に比較して軽度であるが疼痛を訴える場合もある。
・糖尿病性神経障害を生じている場合は、固有感覚が障害されるため、歩行中の荷重が異常になり、仮骨や潰瘍を生じやすくなる。
 また、運動性ニューロパチーや感覚性ニューロパチーは、足の筋肉の動きを障害し、足の構造の変化を引き起こす。
 ▶︎hammer toe, claw toe, Charcot joint
 
参考文献:
StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2020-.2019 Dec 31.
・ハリソン内科学 第5版 p2488
 
Key point
末梢性神経障害を合併している2型糖尿病の発熱なし、赤沈正常である患者の片側性の熱感・腫脹・紅斑を伴う足関節の診断は、糖尿病性神経性関節症である。