〜日々の勉強報告〜@日本三景

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心房細動に対する早期rhythm control

NEJM journal watch General intarnal medicineから引用させて頂きます。
 
「心房細動に対するリズムコントロールの有用性を示した臨床研究」に関して読んでみました。
 
【基本知識】
・最小の症状もしくは無症状のAfに対するレートコントロールまたはリズムコントロールは永遠のテーマに思える。
・AAFIRM試験(N Engl J Med. 2002; 347: 1825-33.)
 ▶︎rhythm controlによる心房細動の管理はrate controlを凌ぐ生存効果はなく,rate controlには薬剤による有害事象のリスクが低いといった有効性の可能性がある。(最大の臨床研究)
 
【デザイン】
国際的、多施設、ランダム化比較試験
 
early rhythm control:抗不整脈薬、アブレーション
vs
usual therapy:適切なrate control下で出現したAfに関連する症状にだけrhythm control
 
primary outcome:心血管イベントによる死亡、脳卒中心不全または急性冠症候群の増悪による入院
 
【対象患者】
最近心房細動と診断された(中央値 36日)2789例(平均年齢 70歳)
 
・75歳以上
TIA脳卒中の既往
・以下の基準の2つを満たす
 ー65歳以上
 ー女性
 ー心不全
 ー高血圧症
 ー糖尿病
 ー重度の冠動脈疾患
 ー慢性腎臓病
 ー左室肥大
 
【結果】
・primary outcomeはrhythm control群の方がはるかに低かった
 (100person-yearsあたり3.9 events vs 5.0 events

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・安全性は両群間で有意な差はなかった。
・洞調律はrhythm control群の方が多かった(82% vs 61%@2年間)。
 
文献:N Engl J Med 2020; 383:1305-1316(The Early Treatment of Atrial Fibrillation for Stroke Prevention Trial (AF

 
・rhythm controls戦略は心房リモデリングが起こる前の早期に開始された。ほとんどの参加者は抗凝固療法を継続した。アブレーションを受けた参加者は比較的少なかった(1年後までに約8%、2年後までに約20%)。
・この臨床研究は我々の診療を劇的に変えるものではないが、この結果とCABANA試験(NEJM JW Cardiol Jun 2019 and JAMA 2019; 321:1261)とA(NEJM JW Cardiol Apr 2018 and N Engl J Med 2018; 378:417)からの結果は、正常な洞調律が重要であることを示している。