〜日々の勉強報告〜@日本三景

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3枝病変におけるFrank's sign BMJ case report

症例
高血圧症、糖尿病、脂質異常症のある78歳男性。11年前に心筋梗塞を来して、経過をフォローされていた。当時は、右冠動脈、左前下降枝、左回旋枝に植え込み型bare-metalステントが留置された。
10年前のフォローアップのアンギオグラフィーでは狭窄の程度に著変を認めなかった。
 
主訴:急性発症の胸痛
到着時、バイタルは正常。身体所見ではFrank’s sign(耳朶の線状)を認められた。

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アングオグラフィーでは3枝病変を認められた。

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冠動脈バイパス術を施行され、胸痛は改善した。
 
〈Frank’s sign
・1973年にFrankにより提唱された所見である。
・冠動脈危険因子と関連しており、急性冠症候群の予測のために供述された。
・35年間の長期の大規模の前向き試験では、Frank’s sign・男性型脱毛・眼瞼黄色腫のような視覚化された年齢と関連する所見は暦年齢や他の冠危険因子と独立して虚血性心疾患のリスクになることを示した。
・年齢と共に耳朶の線状の有病率は増加するため、60歳未満のFrank’s signは診断価値のある身体所見とされている。
 
引用文献:Ono R, et al. BMJ Case Rep 2020;13:e239173. doi:10.1136/bcr-2020-239173